ここはディスト様萌について吐露する場である。 管理人の趣味による非公式二次創作サイトです。 TALES OF THE ABYSSのジェイディス他、主にディスト関連の小説を書き綴るブログです。 公式の企業その他製造元とは全く関係ありません。
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悲恋ものをが書きたい。
恋愛以前の問題で、それは悲恋と呼ぶこともできないものになりました・・・。

ただの片思いに過ぎず、その片思いさえ錯覚でしかない。
それは果たして恋愛(悲恋)と呼べるのでしょうか?
それは人の中にあって悲劇と呼べるのかもしれません。


そんな感じの話を目指したはずなのに、なんか無計画で書き始めたせいか終わりが見えない(笑
そして、そんな感じの話ではなくなった(苦笑

・・・見切り発車って怖いね☆←今回の教訓

そんな話でよろしければお付き合いください。

紅い瞳に蜂蜜色の長髪の軍人。階級は大佐。
故郷には彼の妹がいて、そして私の幼馴染。

私が彼について知っていることと言えばこの程度の事だ。
彼は酷く秘密主義で私が踏み込むことを許された範囲は狭い。

それだと言うのに、私が彼に寄せている信頼や信仰の類といえば、他の追随を許さぬほどのものであったと自負できるほどだった。

しかし私はその信仰心と言うべきそれに裏付けられるように、今以上も以下も望む事はなかった。
(神を信仰すれども、近づこうなどどおもがましい事を考えるものはいないだろう)
私はその私に許された範囲でいつまでも隣に立てる存在でありさえすればよかったのだ。
彼に従い、尽くすのも私にとっては苦痛ではなかった。
それは一重に私が知る限りで彼はもっとも優秀な人間だったからだろうと思う。

友達、でなくてもいい。知り合い?そんなものでさえ互いにとって必要ない認識。
ただ、一人の優秀な人間として彼の支えになることは私の人生における課題のようなもので、
そこには人間らしいしがらみや関係は不要だったのです。





つまり、その言葉は私には重すぎたのです。

そして私は生まれて初めて彼に初めて嫌悪感を抱きました。

今の私に言える事は一つ。(私はそんなものなんて欲しくなかった。)という事実だけ。






「サフィール、私は貴方を・・・愛しています・・・」


二人きりになることも多かったその研究室で、いつものように研究に打ち込んでいた時、
熱っぽい声で唐突に言われたそれはその熱さに反して、私を一瞬で凍りつかせるだけの威力があった。

それは望んでいなかった言葉。

「・・・冗談はやめてください。また、私をからかっているのですか?ジェイド、今はそんな時ではないでしょう?」

私はそれを否定したい気持ちでいっぱいになる。
誤魔化しきれない動揺をなんとか受け流そうと軽い言葉で最後の抵抗。
今なら笑って冗談ですと言ってくれれば間に合う。充分に関係の修復は可能だ。

そう思う反面、彼の言葉が本気であることは私には直ぐに分かった。
私とて無駄に彼の元で長い歳月を尽くしてきたわけではないのだから。

その紅い瞳に映る自分の色のない姿が姿さえ赤く染められてしまいそうだ、と思いながら。
彼に祈りました。「どうかお願いです、その言葉を否定して」と。

しかし、私のその願いは彼に届くべくもありませんでした。

もとより彼は望んだことは全て自力で叶えてきた人です。
そして今回は悪いことに相手が私でした。
私は彼の頼みを断るなど一度もしてこなかったものですから、彼は当然私の全てを手に入れられると思っていたのでしょう。
叶うと思った望みを断ち切られると言うのは彼にとって屈辱だったのでしょう。
しかも相手はこの私です。
彼にとって許せるものではなかったでしょう。

私が軽く受け流そうと思ったことですら気に入らない様子でした。
そして彼は苛立った雰囲気を前面に押し出した笑顔で怒りを押し付けてきました。

「サフィール。貴方が私の言葉を否定することなど、この私が許すとでも?
貴方に与えられた言葉は“yes"のみです。」

ダンッ

荒々しさや苛立ちを隠そうともせず、彼は立っていた私を突き飛ばし、机に押し付けられました。
私は後ろに反り苦しい体制となりましたが、それ以上に恐怖と嫌悪を感じました。

ここまで激しい彼の怒りを私は知りませんでした。
こんな欲望に満ちた紅玉も、もちろん初めて見ました。

そこから溢れ出る感情に私は心の底から気持ち悪いと感じました。

彼から私へ向けられる性的欲望という人間味は私にとって耐えられるものではありませんでした。
彼が人間であることは受け入れていました。
彼が誰かとこのような行為に及ぶであろう事も理解はしていました。
しかし、相手は私ではありません。
あくまで異性の私の知らないどこかの政略結婚で結ばされた女であるはずでした。

何故私なのだろう。

逃避するように私はそのような思考の海に落ちました。

そして白衣に手をかけられ、ボタンが弾け飛んだ瞬間、私の思考は乱れ何も考えられなくなりました。

気持ち悪い。

その一言が自分の体の中を渦巻き、悲鳴をあげました。

そして、ひたすらその嫌悪から逃れるように暴れました。

「離してください!」

「触らないで!!」

「どいて!!」

「お願いです・・・!もうやめてください!!」

私は逃れたい一心でそのような事を叫び、悲鳴をあげました。
血反吐を吐くようにあらん限りの声を尽くして助けを呼びました。

その声が気に食わなかったのでしょう。
彼に思いっきり頬何度も叩かれて悲しみあまり涙が溢れました。

未だ恐怖もありました。嫌悪も感じています。
肌の上を這う掌や舌の感触が私を貶めていて気持ち悪さも感じています。
同性に好きにされて抵抗ひとつまともに出来ない悔しさもありました。

しかし、叩かれたという事実は私に「私が彼に刃向かっている。」その事実を認識させたのです。

私の信仰はその日を境に砕け散りました。

その後も悲しみや色々な汚い感情を唇に乗せて叫びました。

口を塞ごうとした彼の唇に歯を立て、流れる血を唇に受けても、尚私は声の限りをつくし、叫びました。


そうして、私の醜い祈りを聞き届けるかのように、金髪碧眼の幼馴染によって扉は開かれました。

私達の姿を見た幼馴染は一瞬で状況を把握すると、私の上で暴行とも言うべき性交を求める彼を殴り飛ばしました。

私はその光景を呆然と眺めていると、
彼は地に伏し、幼馴染へと罵詈雑言を叫びました。
激情を露にし、叫ぶ姿は見るに耐えない姿でした。

しかし、それ以上に私の今の姿は目に余るものがあったのでしょう。
幼馴染は暴行を受けた私の体を薄汚れたボタンのない白衣で包むと、そのまま抱えられその部屋を後にしました。

その後彼には処分が下されたのか、何事もなかったのかは分かりません。

しかし確実に言える事は私の生活がガラリと変わったと言う事。

私はかけがえのない信仰心を失ったけれど、それ以上に初めて世界の広さを知りました。
今まで見ていたものの狭さを知りました。
そして、興味の向くまま関心のある方へと見聞を広め、存分に探求し心豊かに日々を過ごしています。




今なら彼の行動が私にも原因があったと分かる。

私の盲目な信仰が彼を錯覚させ狂わせたのだと。

彼は愛など知らなかった、だから慕う私を愛していると錯覚したのだ・・・と私は思います。

私の過ちに気付かせてくれたのは、昔は苦手だった金髪の幼馴染だったけれど。
そのおかげで今の私があるのだから感謝しています。


それでも、時折彼への信仰心が懐かしく、もどかしく疼いて寂しさを感じることもあります。


あぁ、今彼はどこで何をしているのでしょう。

あの日を境に私達の前から姿を消した彼を、どなたかご存知ではありませんか?




END



要するにノンケでジェイドを神か何かと勘違いしているサフィールと、
サフィールが好き(だと思ってる?)で、欲望が抑えきれなかったんだぜ☆って感じのジェイド。
って感じですかね。

サフィールの心情は
ジェイドの為に何でも出来ると思っていたし、実際今まではそうだったけど、
自分がジェイドの恋愛対象になっていて、体や心を求められて、え、なにこいつそっち系なの!?
ってなちゃって大混乱。みたいな。(ノンケですから!)

ここら辺悲恋にすらならない。

ジェイドの心情は
サフィールはいつも自分の言うことを聞いてくれる。どんな我侭も無理難題もこなしてくれる。
こんなに自分に尽くしてくれるのは、私の事が好きだからなんだ!と思ってるうちに自分もサフィールを好きだと錯覚してしまったよ。しかも告ったら拒絶されて、キレちゃった。みたいな。

ここら辺悲恋


ちなみに、この後ジェイドはおそらく自殺しています。
そして、おそらく本当にサフィールを愛していたのだと思います。
サフィールが自分のものじゃない世界に対し絶望と恐怖を感じたのだと思います。

ここら辺悲劇要素。


お付き合いありがとうございました。

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